他ジャンルからも進出

歴史小説は、書き手にとって魅力的なものなのだろうか。
近年、推理作家の黒岩重吾、SF作家の高橋克彦、ハードボイルド作家の北方謙三といった、他ジャンルからの作家の活躍も目立つ。
戦後、司馬遼太郎らによって歴史小説は大きく変化した。
司馬は独自の視点から、『竜馬がゆく』『坂の上の雲』などの作品を発表、その後の歴史小説に大きな足跡を残すことになった。
江戸川乱歩賞作家の陳舜臣は、中国史に題材を求めた『阿片戦争』などを書き、吉村昭は「記録小説」と呼ばれるジャンルを開拓した。
女流作家として永井路子、杉本苑子、安西篤子らの活躍も目覚しかった。
大物作家でも、吉川英治は『私本太平記』、海音寺潮五郎は『天と地と』などを発表した。
中でも山岡荘八の『徳川家康』は、異例の長期新聞連載となり、空前の「家康ブーム」を巻き起こした。