堺屋太一

1975年の通産省在職中に、近未来の社会を描いた小説『油断!』で作家としてデビューした。
1976年に発表した小説『団塊の世代』は、1940年代後半に日本で生まれた第一次ベビーブーム世代を「団塊の世代」と位置づけ、多方面に影響を与えた。
また、大河ドラマの原作となった『峠の群像』、『秀吉』をはじめとする歴史小説も数多く執筆した。
小説のみならず、工業社会の終焉と「知価社会」の到来を予言した経済理論『知価革命 工業社会が終わる・知価社会が始まる』等の社会評論や、首都機能移転に関する『「新都」建設 これしかない日本の未来』をはじめとした公共政策分野における政策提言に関する著作も多数執筆した。

連城三紀彦

探偵小説専門誌『幻影城』でデビュー。
大胆な仕掛けや叙情性溢れる美文体を用いたトリッキーな作風で評価を得る。
その後ミステリ的筆致を心理の機微を表現することに応用した恋愛小説を著すようになり、直木賞を受賞した『恋文』以降は大衆小説に執筆の主軸を移した。
しかしその後もフレンチミステリ的心理劇や謀略サスペンス、誘拐もの、叙情的な幻想ミステリ、メタミステリなど、多彩なミステリの執筆も行っている。
2002年には『白光』、『人間動物園』とミステリー作品を連続して発表し、話題となった。
若い頃からの映画好きで、大学在学中にシナリオの勉強のため、フランスへ留学した経験を持つ。

草原の椅子

遠間憲太郎は50歳の会社員。
阪神淡路大震災後、桃源郷ともよばれるフンザに旅してその地の老人から「あなたの瞳のなかには、三つの青い星がある。ひとつは潔癖であり、もうひとつは淫蕩であり、さらにもうひとつは使命である。」という不思議な言葉を告げられた経験を持つ。
現在は妻と離婚し、大学生の娘と阪神間の夙川で暮らしている。
街は震災から復興したが、憲太郎の心の底にはまだ震災で受けた衝撃が残っていた。
ある日、憲太郎は幼時に実の母親から虐待を受けていた4歳の少年、圭輔に出会い、その世話を手伝うことになる。
取引先の社長で同じ歳の富樫重蔵との仕事を越えた友情に助けられながら、憲太郎は圭輔へのいとおしさを深めていく。
憲太郎はまた、趣味の店で出会った篠原貴志子に密かに惹かれる。
憲太郎は富樫とフンザに旅する計画を立て始めたが、衝動的に貴志子をフンザ行きに誘い、さらには圭輔を同行させざるを得ない状況になる。

丸山健二の作風

簡潔だが詩情溢れる文体と、緻密な心理や状況の描写、追い詰められた人間や苦難の只中に置かれた人間をめぐる物語が特徴。
「夏の流れ」は三島由紀夫の評価を受けたこととも無関係ではない作風であり、80年代末まではその延長線としてハードボイルドとも形容される男性的で乾いた世界観、簡明な言葉を積み重ねて硬質なストーリーを描くスタイルを志向していた。
キャリアの半ばからは自身の資質と相反するような幻想的な描写にも新境地を開き、『月に泣く』までの作品はリアリズムとも幻想ともそれらの混淆ともつかない独特の世界観から「詩小説」とも呼ばれた。

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